皆さんはどれ位ご存知?有名映画の衣装ミス
映画を完成させるためには、セットでの衣装は欠かせません。衣装は、その特定の場所や時代に、まるでいるかのように観客を錯覚させるためには、重要な要素なのです。だからこそ、映画の衣装ミスを発見すると、かなりがっかりさせられてしまうんですよね。衣装デザイナーは、映画のための衣装をデザインする際に、かなり注意しなくてはいけません。
それでは、少し細かいですが、人気映画の「華麗(?)」な衣装ミスを見抜いていきましょう。
『ダーティ・ダンシング』:時代にそぐわないベイビーのショーツ
ベイビーのスタイルは、映画が設定された時代のスタイルとは言えません。撮影されたのは80年代でしたが、映画の設定自体は1963年です。
彼女が着ていたジーンズのショーツは、80年代に流行したものであるため、60年代という設定には、ちょっと無理のあるファッションです。
『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』:完璧すぎたブラッド・ピットのブロンドヘア
『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』の中で、1900年代のカウボーイのトリスタン・ラドローを演じたブラッド・ピット。
しかし、彼の金髪ヘアは60年代風。それに、だらしないシェービングも、この時代ではあり得ません。20世紀初めのの農家の男というよりは、グラムロックスターのようです。
『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』:ジーンズを着ているエキストラ
このシーンの背景をよく見てみると、青いジーンズをはいているエキストラが見つかるはずです。
1930年代に、ジーンズがエジプトに存在していたかどうかは怪しいところですよね。もしかして、このジーンズの男性は、このシーンに写り込んでいるべきではないスタッフだったのかもしれません。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』:髪はアップにされているべき
ペギーが魅力的だということに、皆さん異論はないですよね。彼女のウェーブがかかった美しい髪にはみんなイチコロです。ただ、軍隊の中でこのようなヘアスタイルは、好ましくありません。
ヘアスタイル的には、この時代のもので間違いはないものの、戦時中には、女性は髪が襟にかからないようにあげておくように義務付けられていました。
『十誡』: 時代を先走りすぎなネフェルティティのドレス
聖書に基づく映画の中でも最高の映画と言ってもよい『十誡』。ただ、だからと言って完璧とは限りません。美しいブルーのドレスをまとった、ネフェルティティを演じたのはアン・バクスター。
問題と言えば…この時代にブルーの染料など手に入らなかったのです。作り出すのが困難だっただけでなく、この色が手に入るようになったのはかなりあとの時代。さらに、手に入ったとしても、しばらくは王族のみの物でした。もちろん、ネフェルティティは王族ですが、青という色は、この時代には早すぎます。
『ロビン・フッド』:この時代にはあり得ない望遠鏡
コスナーとフリーマンが望遠鏡をのぞき込む、こちらの『ロビン・フッド』のシーンは、歴史に即しているとは言えません。このような望遠鏡は、この映画が設定された時代の後の17世紀に発明されたのです。
ロビン・フッドが、こんなにコンパクトな望遠鏡を手にしていることは、あり得ません。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』:ヘッドセットはまだ存在しない
時代物を創ってくれるマーベル社は、かなり評価できます。ただ、やるならちゃんとやってください!ジム・モリタが使っているようなラジオヘッドセットは、やや時代錯誤です。
このようなシステムがデザインされたのは、もっと後になってからで、2000年代です。つまり、第2次世界大戦の時代に軍が持っていたということはあり得ません。
『あの頃ペニー・レインと』:ブラック・サバスのTシャツ
モダンクラシック作品の『あの頃ペニー・レインと』。お気に入りのバンドの一つと共に国中を回る、野心家のロックンロールのジャーナリストのお話です。
この映画はまさにロックンロールの映画であり、ロックのトリビアを見逃すなんて、あってはならないですよね。キャストのひとりは、映画の中でブラック・サバスのTシャツを着用していますが、このTシャツが作られたのは1997年。映画の設定は、70年代前半です。
『ジャンゴ 繋がれざる者:サングラスが存在するはずがない
タランティーノ監督は、この映画でリアリズムを追求しているというわけではないので、問題ないと言えばないですが…。知っておくべきことで、あまり知られていないことを教えてくれるこちらの映画は、世界中で3億ドルの興行収入の成績をおさめましたが、この映画にも欠点があります。
実は、このようなサングラスが発明されたのは、1929年。ジャンゴさん、申し訳ないですけど、サングラスは存在しないはずなので、太陽に対しては目を細めてもらうしかないみたいですね。
『プライベート・ライアン』: 黒いブーツ
この戦争についての映画は素晴らしく、学校で子どもたちに、教育目的として見せる第2次世界大戦の映画となりました。歴史の授業で見た方も、中にはいるのではないでしょうか。
ただ、映画は歴史的に完全に正しいとは言えません。作中マット・デーモンが着用していた黒いブーツは、1950年代になるまで存在していないんです。
『アメリカン・ハッスル』:70年には存在しないロレックスの腕時計
こちらの衣装ミスはかなり小さく気づきにくいものなので、見逃してしまっているかもしれません。しかし、ご心配なく、今からご紹介します。
『アメリカン・ハッスル』のなかで、ルイ・C・Kがロレックスの腕時計をしていますが、実はこちらの型は、2010年に発売されたものです。70年代に設定されている映画では、少し場違いですよね。
『ギャング・オブ・ニューヨーク』:現代の消防士の制服を着ているのはおかしい
『ギャング・オブ・ニューヨーク』は、19世紀中期の設定です。しかし、この映画に出てくる消防士は現代の消防士の制服を身に着けています。
マーティン・スコセッシ監督作品なら、こんなミスあってほしくないですよね。歴史的な映画を製作するのであれば、歴史を注意深く見ていくべきではないでしょうか。
『アマデウス』:この時代には存在しないモーツアルトの服のチャック
歴史的に言えば、チャックは現代の発明です。これが18世紀のヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの時代に存在していたなんてあり得ません。
この時代の100年後に、初めて発明されたにもかかわらず、作中には何度がチャックが写り込んでいます。ちゃんと事実確認をとる必要があります!
『THE TUDORS〜背徳の王冠〜』: ひだ襟の着用はスキャンダラス
かなり昔から存在していたということで、ひだ襟は昔懐かしいファッションアクセサリーだと皆さん思いがちですよね。だからと言って、とりあえず歴史映画に使って、うまくいくと思ったら大間違い。
ひだ襟は、決まった方法で着用するべきなんです。アンダーシャツすら身に付けないで着るなんてもっての外。1500年代にそんなことをしたら、不適切でとんでもないと思われてしまいます。
『ブーリン家の姉妹』:後ろに持っていくべきであるポートマンの髪
片方がブロンドでもう片方がダークブラウンの髪であったことを印象付けるために、映画製作者はナタリーとスカーレットの髪を見せたかったのかもしれません。しかし、この時代のフレンチフードは、このように着用すべきではないんです。
髪は後ろに引いて、ベールの下に隠されているのが正しい方法。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』:まだ存在していないこのギター
時を跨いで旅をするマーティ・マクフライ 。しかし、だからと言ってギターも同じように旅できるわけではありません。紛れ込んだギター自体は、それほどおかしくはないかもしれませんが、時代背景に即していないとかなり目立ちます。
マーティが、1955年のシーンで演奏するギターが発売されたのは、1958年です。
『パール・ハーバー』:素足はNG
映画製作の前に、歴史の研究をしておくことは重要です。この重要な段階を疎かにしてしまうと、このような明らかな間違いをおかしてしまいます。
第二次世界大戦中の時代に、女性がストッキングを履いていないというのはあり得ません。肌の露出しすぎはご法度な時代なのです。
『パブリック・エネミーズ』:先を行きすぎたローブ
恐慌期のアメリカが舞台の『パブリック・エネミーズ』。銀行強盗のジョン・デリンジャーを見事に演じきったジョニー・デップ。リアルな30年代の銀行強盗の演技ですが、衣装は大失敗です。
現代のジャケットに使用されているような、ハイクオリティーのしなやかで軽い繊維は当時存在していません。このキャラクターのジャケットは、もっと重くかっちりしているべきなのです。
『英国王のスピーチ』:間違ったキルト
『英国王のスピーチ』のセットにいた全員が、映画をリアルで真に迫ったものにするために、かなり努力したことがうかがえます。ただ、キルトのデザインは問題。
こちらのシーンで英国王が着ているキルトのデザインは1997年に作られたものです。しかも、細かいようですが、スコットランドのバルモラルキルトではなく、アイルランドのもの。
『ベイウォッチ』:透ける水着
『ベイウォッチ』は、多くの方が視聴したのではないでしょうか?その舞台裏では、どうやら視聴者が知らないことがたくさん起こっているようです。
女優のジーナ・リー・ノーリンは、自分がドラマで着用する予定だった水着が濡れると、透けるということに気づき、ギリギリ恥ずかしい事故を逃れました。幸運にも、この事実は撮影前に発覚したようです。
『グローリー』: 南北戦争にデジタルウォッチ?
スイマセン、なぜこんなことになったのか、誰か説明してくれませんか?『グローリー』は南北戦争が舞台です。この映画にはたくさんの予算がつぎ込まれ、有名な俳優も多数出演しています。
腕時計は、1920年になるまで存在しないはずです。しかも、デジタル時計が発明されたのは、それからさらに後のことです。
『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』:戦いに向いていないスカート
古代エジプトにおいて、ブランドという概念が存在していたかは怪しいですよね。『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』の中のネフェルティティとアナクスナムンの戦いのシーン、よく見ると下着のタグが見えるんです。
ネフェルティティってフルーツ・オブ・ザ・ルーム(アメリカの衣料ブランド)を着るような女性だったんですね。
『トロイ』:当時は存在していないはずのパラソル
こちらのシーンでオーランド・ブルームの後ろに写り込んでいる、房の付いた赤いパラソル。これは歴史的に、正しくありません。パラソルが発明されたのは紀元前5年。トロイの戦いから大分後の話です。
映画を楽しむには、時には色んな疑いを無視しなくてはいけないということですかね。
『プライドと偏見』: 当時存在するはずがないゴム製の長靴
『プライドと偏見』は、思いもよらない相手と恋に落ちる典型的なストーリーです。設定がジョージ王朝時代の映画で、エリザベス・ベネットとダーシーは、長靴を履いて一緒に出掛けます。
しかし、知ってましたか?ゴム製のブーツは、この作品が舞台にしている時代の、20年後に発明されたんです。この衣装チョイスは、少し考え直した方が良さそうですね。
『グッドナイト&グッドラック』:ネームタグは時代錯誤
軍隊の制服には、厳しいルールと制限が存在します。それらしく適当にでっち上げてよいものではないのです。ちょっとした歴史の背景リサーチが必要です。
1950年代が舞台のこの映画は、60年代後半に導入されたネームタグをつけた、カジュアルな装いの軍人が登場してしまっています。
『ブレイブハート』:時期尚早なギブソン着用のスコットランドのキルト
『ブレイブハート』は、見たことがあるのに、なかなか鮮明には、思い出せないという映画の一つなのではないでしょうか。そもそも公開されたのがいつだったかご存知ですか?『ブレイブハート』はそこまで爆発的な興行収入は得られなかったものの、なぜか人気があるんですよね。
そして、何が問題かというと、衣装が大分間違ってしまっています。13世紀が舞台ですが、スコットランド人がキルトを身に着け始めたのは16世紀になってからです。
『カラーパープル』:まだ発明されていないはずのクリップオンのネクタイ
『カラーパープル』は、1900年代の南部に住むアフリカ系アメリカ人の女性の物語で、アリス・ウォーカーの小説に基づいています。
クリップオンのネクタイをして映画に登場するダニー・グローヴァー。このタイプのアクセサリーは、1928年になるまで販売されていないのが本当のところ。
『グラディエーター』:合成繊維の短パン?
古代ローマにスパンデックスの短パンなんて存在したはずがないですよね?結構イカしたレザーの防護服を身に着けているラッセル・クロウですが、その下に付けているものが、この時代にあり得てはいけません。
グラディエーターの時代に、快適さやストレッチの利いたズボンを重視している人はいないはずです。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』:時代を先走ったレイバン
プライベートでもかなりスタイリッシュな男性として知られている、俳優のブラッド・ピット。2008年の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のワンシーンでは、かなりスタイリッシュなファッションアクセサリーを身に着けて登場しています。レイバンの3025アビエイターのサングラスです。
問題のこのシーンは、1945年の設定。3025アビエイターが発売されたのは1952年になってからです。
『シンデレラ』:衣装チェンジ
1950年公開の定番ディズニー映画の中でシンデレラが着用している美しいウェディングドレスは、印象に残っていますよね。
多くの人は、控えめな長そでスタイルのドレスを覚えているのではないでしょうか。しかし、結婚式の後に馬車に乗っているシーンでは、ドレスが突然半そでになっているんです。
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』:時代を先どった矯正器具
レオナルド・ディカプリオ演じる国際的詐欺師を追ったこちらの映画の舞台は、1960年代。映画のワンシーンで、歯の正面に装着されたステンレススチール製の、歯科矯正器具を身に着けたエイミー・アダムスが登場します。
1960年代、ほとんどの矯正器具は金属製であり、歯のフロントに接着するというよりは、歯の周りに巻き付けるものでした。ステンレススチールとデンタル用の接着剤は、1970年代になるまで歯列矯正業界には導入されていません。
『オズの魔法使い』:ルビーの靴はどうなった?
「故郷のような場所は何処にもない」。このよく知られたフレーズで、ドロシーは怒った西の悪い魔女から逃げきることが出来ました。このフレーズは、赤い靴と一緒に使われると魔法が働きます。
ドロシーと案山子が木と戦った後のシーンにて、ドロシーの靴に注目してください。あら。赤い靴ではなく黒い革靴になってしまっています。
『ショーシャンクの空に』:未来のビール
『ショーシャンクの空に』のワンシーンで、刑務官のひとりを手伝って、アンディーが仲間のためにビールを手に入れます。しかし、ここに小さなミスが。ビールのボトルをよく見ると、蓋が螺旋状になっており、ツイストキャップのビールであることがわかります。
この小道具を選んだ時には、そこまで注意が行き届いていなかったようですね。ツイストトップのビールは、1940年代後半に導入されています。
『マイ・ガール』:変わったリング...
『マイ・ガール』でベーダが身に着けていたリングは、石が付いた普通のリングではありません。これは、たくさんの人が子どもの時身に付けたいと夢見ていた、ムードリング。
この映画の舞台は1972年。問題は、わずかな差ではありますが、ムードリングが発売したのは1975年ということです。
『インフォーマント!』: シューズにミス
『インフォーマント!』の設定は1990年代初期。同映画は、価格協定の陰謀の内部告発者を追った伝記的クライムドラマ映画です。いくつかのシーンで、マット・デイモン 、ジョエル・マクヘイル 、スコット・バクラは、ナイキのゴルフシューズを履いています。
1996年になるまでナイキがゴルフシューズを販売していなかったことを考えると、ちょっと先取りしすぎましたよね。
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』:ナチスの勲章
『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の中で、映画の悪役として登場し、評判通りの悪者ぶりを見せつけたナチス。スティーヴン・スピルバーグが監督を務めた同作の設定は、1938年です。これは、第二次世界大戦が開戦する1年前。
映画を見たらお分かりいただけるように、ナチスの軍人たちは、第二次世界大戦が開戦してから導入されたはずの勲章を、すでに身に着けてしまっています。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』:制服が間違っているイギリス海軍
『パイレーツ・オブ・カリビアン』の中で、イギリス海軍の制服を身に着けているこちらの男性たち。こういった制服が導入されたのは、1747年になってからです。
しかし、作中の英国王はジョージ1世。ジョージ1世の治世は、1714年から1727年です。こちらの海軍の人達は、時代を少し先走ってしまったようですね。
『雨に唄えば』:この時代としてはモコモコしすぎ
1952年公開のロマンコメディミュージカル、『雨に唄えば』の中で、ジーン・ヘイゲン演じるリナは、大きなモコモコのドレスを着用しています。
しかし、このタイプのドレスは、映画が製作された1950年代によく見られるスタイルです。映画の設定は、1920年代。ファンションとしての矛盾してしまっています。
『シービスケット』:安全第一
『シービスケット』の中で、レッド・ポラードという名前のジョッキーを演じたトビー・マグワイア。この映画の設定は1930年で、サラブレッドのレース馬のお話です。
レッド・ポラードのヘルメットを見てみると、あごでとめるストラップが目に入るかと思います。このあごストラップが導入されたのは、何と1956年なんです。
『アンタッチャブル』:まだ存在していなかったラペル襟
エリオット・ネスを演じたコスナーが『アンタッチャブル』で着用しているようなジャケットは、長い間、ギャングの代名詞でした。しかし、この衣装チョイスの大きなミスには、お気づきでしたか?
ラペル襟が販売され始めたのは、1989年。つまり、この素晴らしい映画も歴史的に完全には正しくはないというわけです。ラベル襟のジャケットを着る前は、ギャングの方は何を着ていたんですかね?