自分が育てた野生のゴリラに奥さんを紹介したら思わぬ展開に?!
2017年の夏、デミアン・アスピナルさんと奥さんのビクトリアさんは、一生に一度の旅に出ました。ゴリラの生息地保護を行っているグループ、アスピナル・ファンデーションの会長であるデミアンさんは、10年以上前に救助・移送させたゴリラ2匹に自分の奥さんを会わせるということで、ワクワクしていました。
デミアンさんは、2匹のオスのゴリラ、ジャルタとイーマの救助および新しい家への移送に関わっていました。たくさんの時間をゴリラと過ごしたデミアンさんは、彼らと特別な絆を形成したのです。しかし、デミアンさんが最後に2匹のゴリラに会ってから早14年。デミアンさんは、自分と自分の奥さんを目にしたゴリラがどんなの反応を見せるのか、皆目見当もつきませんでした。実際の再会で起こったことは、まさに予想外の出来事だったのです。
人生最大の旅
ゴリラは、地球上で最も素晴らしい動物のひとつです。これらの美しい動物は、喜びや悲しみのようなたくさんの人間的なふるまいや感情を見せます。ゴリラは常に、生息地が破壊される危険に常にさらされています。そのため、アスピナル・ファンデーションのようなグループが、彼らの生息地を保護して、ゴリラの人口を守ろうと活動しています。
アスピナル・ファンデーションがガボンへの移送をスポンサーするまで、ゴリラのジャルタとイーマはケント州のハウレッツ・ワイルド・アニマル・パークに暮らしていました。ここでは、2匹は安全に暮らせます。ゴリラがハウレッツで暮らしていた際、デミアンさんはこのプロジェクトに関わっており、ジャルタとイーマと特別な絆を築き上げました。その後彼らがどのように変わっていったのか、デミアンさんには興味があったのです。ということで、デミアンさん、ビクトリアさん、少人数のクルーで、ガボンへ向かいました。
ゴリラとビクトリアさんを引きあわせることにワクワクしていたデミアンさん
デミアンさんとビクトリアさんは、興奮しながらガボンへの旅行を計画。夫婦は、デミアンさんに大きな影響を与えたゴリラに会うことを熱望していました。
夫婦は興奮していたものの、同時に緊張していました。デミアンさんが2匹のゴリラに会ったのは10年以上前の話。期待するような再会にならないのではないか、と心配していたのです。不安押しのけるようにして、中央アフリカのガボンへ向かった2人。しかし、ジャルタとイーマを見つけることは、なかなか難しかったようです。
困難を極めたジャルタとイーマの発見
ゴリラに会うまでの山道は、楽ではありません。夫婦は中央アフリカにあるガボンまで移動しなくてはいけなかっただけでなく、ジャルタとイーマに会うためには厳しい道を進まなくてはいけませんでした。
デミアンさんとビクトリアさんは、ゴリラの新しい住処に到達するまで、何時間もニアリ川を下っていなかなくてはいけません。ジャルタとイーマを何年にも渡って世話をしていたにも関わらず、2匹の居場所を突き止めるためにファンデーションのスタッフからのかなりの助けを必要としました。ジャルタとイーマを見つけるために、夫婦には少し工夫が必要だったのです。
ドローンでジャルタとイーマを追跡
ジャルタとイーマは追跡機をつけていましたが、居場所をピンポイントで特定することはなかなか難しいということがわかります。幸い、デミアンさんとビクトリアさんはこれを見越していたため、ちょっとした「秘密兵器」を用意していました。
夫婦はデミアンさんの携帯につながっているドローンを使用し、ニアリ川の上空を確認。こうすることで、近辺を鳥の目線で確認して、ジャルタとイーマを見つけることができたのです。ドローンの導入はうまくいきましたが、ジャルタさんとイーマさんがデバイスを発見した際、夫婦は 複雑な気持ちになります。
ジャルタとイーマがドローンを発見
ドローンの力を借りてすぐに、デミアンさんとビクトリアさんはゴリラを発見。当たり前ですが、ジャルタとイーマは、怒っているようなそぶりは見せなかったものの、空飛ぶ物体に困惑していました。ドローンに興味を示したジャルタとイーマは、深い茂みから現れて、川岸の端に立ちすくみます。
ゴリラたちとの再会の時が近づいています。デミアンさんとビクトリアさんがゴリラに近づくと、ジャルタとイーマは夫婦がカメラクルーと一緒であることに気づきます。さらに興味を引かれた2匹のゴリラ。さぁ、今こそジャルタとイーマに接近する時です。
近づくジャルタとイーマ
岸に近づくと、デミアンさんとビクトリアさんはドローンを安全にボートに回収します。チームがゴリラにゆっくりと接近。ジャルタとイーマは落ち着いているようでしたが、ゴリラの行動は予測がつかないということを覚えておかなくてはなりません。
ゴリラがパワフルであることを念頭に入れ、チームは接近の際十分に注意を払います。興奮と緊張がみんなに走り、夫婦はゆっくりとゴリラたちのいる岸へ向かいました。まずはデミアンさんから接近します。
ジャルタとイーマに接近したデミアンさん
デミアンさんは、ジャルタとイーマと再会できて、この上なく興奮していました。小さなボートを降りる際、もう落ち着いてなどいられなかったのです。ウエストまである水の中に踏み込んで、岸までゴリラに向かって歩き始めます。
クルーメンバーの中で最初にゴリラに近づいたデミアンさんは、自分の行動には特に気を付けるべきだと理解していました。デミアンさんはゴリラの目線を保って、威圧的に見えないように心がけます。ジャルタとイーマのボディーランゲージに注意して、慎重に前進。次は、14年間で初めてジャルタとイーマとコンタクトを取るデミアンさん。さて、ゴリラたちは覚えているのでしょうか?
デミアンさんに安心したジャルタとイーマ
デミアンさんは、時間をかけてジャルタとイーマに接近します。恐怖心を抱かれないよう、最新の注意を払ってです。かなりの時間を岸で過ごすと、ゴリラたちは「音」を出し始めました。
デミアンさんは、これが自分の存在を受け入れたフレンドリーな「音」であるとわかっていました。デミアンさんが引き続きジャルタとイーマに数分語り掛けると…これだけの時間が経っていたのに、2匹はデミアンさんのことを覚えていたのです。そこで、ゴリラをビクトリアさんに引き合わせる時だとデミアンさんは判断します。
ビクトリアさんに警戒するジャルタとイーマ
ゴリラたちがすぐにデミアンさんを受け入れなかったのは、計算の内です。10年以上も会っていなかったことを考えれば、驚きではありません。しかし、それでもゴリラたちはデミアンさんを思い出して、慣れてきたようです。しかし、ビクトリアさんに対しては目に見えて警戒していました。
ビクトリアさんがジャルタとイーマに少しずつ近寄ると、夫婦はゴリラが彼女に対して不安を抱いていることを感じ取りました。ビクトリアさんは、異常なくらいゆっくりと近づかなければいけないことを理解していました。そうでなければ、ゴリラは自分を脅威と認識するかもしれないのです。ビクトリアさんは、時間をかけて岸に近づきます。
ビクトリアさんは「承認」を求めて岸を移動
ビクトリアさんがゴリラたちに向かってゆっくりと近づいていくと、ゴリラたちは少しずつガードを緩めていきました。デミアンさんからの合図を受け、ジャルタとイーマのボディーランゲージを読みながら、少しずつ岸に向かうビクトリアさん。
「2匹が暴力的に攻撃的にならないというサインを探していたんだ」、とカメラに話す話すデミアンさん。すぐに、ジャルタが低いごぼごぼという音を立てます。これは恐ろしく聞こえるかもしれませんが、実は友好的なサインです。ということで、ビクトリアさんが面と向かって対峙する時がやってきたのです。
ゆっくりと岸にたどり着いたビクトリアさん
ジャルタとイーマに近づく間、ビクトリアさんは少しゴリラに対して恐怖を抱いていました。ジャルタとイーマを驚かしてしまいかねない急な動きをしないことに集中。かなりの緊張感が漂っていましたが、それでもデミアンさんとビクトリアさんは興奮していました。
ジャルタが友好的な「音」を出してから、デミアンさんはゴリラたちに「ビクトリアに会いたいか」と尋ねます。さて、ついにビクトリアさんとゴリラの対面の時。ゆっくりと岸に上がって、ゴリラが近づいてくる間、ビクトリアさんはデミアンさんの横に座り込みます。
ビクトリアさんに近づいていったゴリラ
やっとのことでビクトリアさんは完全に岸について、旦那さんの横に座ります。この時点で、ジャルタとイーマは感情を抑えていることができませんでした。ゴリラたちは素早く夫婦に近づいて、ビクトリアさんを観察し始めます。
すると、何の前触れもなく、ジャルタとイーマはビクトリアさんに向かっていきました。ビクトリアさんは恐怖に襲われますが、次に起こったことに誰もが驚愕します。
攻撃的ではなく優しいジャルタとイーマ
ジャルタとイーマは素早くビクトリアさんに近づきましたが、そのふるまいが攻撃的ではないことは明らかでした。むしろ、ゴリラたちはビクトリアさんに愛情たっぷりに寄り掛かったのです。デミアンさんは記憶がよみがえってきて、ビクトリアさんは古い友人のデミアンさんにとって大事な人である、ということを理解したかのようです。
初めにゴリラたちに近づいた際、ビクトリアさんは何を期待していいのかわかりませんでした。ゴリラたちが優しく受け入れてくれることを願っていたものの、これだけの温かい歓迎は想像もしていなかったのです。
仲間のようにビクトリアさんを扱ったジャルタとイーマ
ジャルタとイーマは、すぐにビクトリアさんが自分達に対してリラックスしていることに気づきます。すぐに、ビクトリアさんを自分たちのコミュニティーの一員として扱い始めました。2匹は優しく自分たちの膝にビクトリアさんを引っ張って、まるで自分の子どものように扱います。
夫婦もチームも様々な出来事で胸いっぱいです。ゴリラたちは、14年経ってもデミアンさんを覚えていただけでなく、ビクトリアさんがどれだけデミアンさんにとって大事かを感じ取り、そのように丁重に扱ったのです。ゴリラたちのビクトリアさんとの絆は、特別なものでした。
明らかだったゴリラとビクトリアさんの絆
デミアンさんと一緒にここに来るまで、ジャルタとイーマに受け入れてもらえないのでは、と緊張していたビクトリアさん。最悪の場合、ゴリラが攻撃的になるかもしれません。ジャルタとイーマは温かい歓迎には、夫婦2人とも感動しました。
特別な絆があるのは、ジャルタとイーマとデミアンさんだけではありません。2匹はビクトリアさんとも特別な絆を形成したのです。再会は、これ以上にないほどの大成功となりました。
夢を叶えたデミアンさん
奥さん同様、ジャルタとイーマがビクトリアさんを受け入れたことに喜びを隠せないデミアンさん。10年以上も離ればなれになっていたところを再会できただけでなく、自分の奥さんをゴリラに紹介して、ゴリラたちに気に入ってもらえたのです。デミアンさんにとっては、まさに夢が叶ったようでした。
この経験は、ビクトリアさんにとっても夢の実現です。この旅のことはずっと楽しみにしていたものの、どのような結果になるかはまるで分らなかったのです。夫婦はゴリラたちと時間を過ごし、このユニークな絆はますます深まっていきました。
ビクトリアさんの帽子が気に入ったジャルタとイーマ
夫婦はジャルタとイーマと時間を過ごし、お互いに心を許していきます。すぐに、ゴリラたちはデミアンさんとビクトリアさんとおふざけを楽しむようになりました。
2匹は順番にビクトリアさんの帽子を頭からとって、自分の頭にのせて、帽子をクルクル。このような瞬間には、ゴリラたちと一緒に素晴らしいことを経験できたことがどれだけ幸運なことかを思い知らされます。
ゴリラがどれだけ特別な生きものかを思い知らされた旅
ジャルタとイーマが交流しているところを目にすると、これらの素晴らしい動物の本質が見えてきます。多くの人がゴリラは知的でなく危険だと思っているものの、これは真実とは真逆です。
「ゴリラたちとビクトリアが一緒にいるところを目にすることはとても美しいことだったよ」と話すデミアンさん。「気高く優しく美しいこの動物たちは、ゴリラがどれだけ美しいか、侮るべき存在ではないということを、思い出させてくれるんだ」。それでは、ゴリラを助けるためのアスピナル・ファンデーションの活動、我々ができることを見ていきましょう。
アスピナル・ファンデーションの活動
25年以上もの間、ニシローランドゴリラの数は衝撃の60%も減り続けています。このようなショッキングな数字によって、デミアンさんや他のアスピナル・ファンデーションのメンバーは行動を起こそうと鼓舞されたのです。
アスピナル・ファンデーションは、デミアンさんの父親であるジョンさんによって設立されました。ジョンさんは、ハウレッツやポート・ラインプネで育てられたゴリラを自然に返すことを夢見ていたのです。現在、デミアンさんが父親の夢を受け継ぎ、ファンデーションは動物保護への努力とチャリティー活動で世界的に知名度を上げています。
誰でも変化を起こすことができる
動物が人工の危険に冒されずに、自然環境で生き延びれるようにするためのアスピナル・ファンデーションの活動を支援する方法は、たくさんあります。
ハウレッツ・ワイルド・アニマル・パークとポート・ラインプネ・保護区で活動しているアスピナル・ファンデーション。ここ訪れると、素晴らしい動物たちを近くで見ることができます。すべての収益は、直接的に動物支援に利用されます。保護区へ訪問するだけでなく、寄付したり、動物を「養子」にとったり、募金活動に参加することも可能です。
ご紹介しましょう、ワーナー・フロイント
1972年、元ドイツ空挺兵のワーナー・フロイントさん、通称「ウルフマン」は、ドイツのメルツィヒにヴォルフシュパーク・ヴェルナー・フロイントを設立します。ヨーロッパ、シベリア、カナダ、北極、モンゴルなどの、6つの異なる群れ出身の29匹のオオカミがここで暮らしています。
保護区がオープンしてから、フロイントさんはオオカミからコグマまで、様々な動物を70匹以上面倒を見てきました。大抵は自身の手で動物を育て上げて、オオカミと密接に暮らし、群れではボスの地位を確立しています。
子どもの頃から動物が好き
1933年生まれのフロイントさん。これはヒトラーが権力を握り始めた年でもあります。フロイントさんはドイツの田舎で、林学者と羊飼いの家庭で育ちました。動物好きは、母親譲りです。
「母親にとって、動物はいいことだったんです。だから、僕は動物が怖いと思ったことはありません。大きな悪いオオカミの話なんて、母親は1度もしませんでしたからね」。ずっと何かが心に残っていたフロイントさんですが、のちにそれが彼の人生そのものとなります。
大きな捕食動物への愛情
1950年代、フロイントさんは庭師としてのトレーニングを始めます。しかし、動物にかける情熱を持っていた彼は、シュトゥットガルトにて大きな捕食動物の飼育員となりました。クマ、ライオン、ハイエナ、ピューマなどの動物を扱ってきたものの、彼のお気に入りはやっぱりオオカミ。
しかし、西ドイツのドイツ連邦軍に加わったことで、動物との時間は一時お預けになります。連邦軍では20年に渡り、空挺兵として活躍しました。
似たような情熱を持つ女性と結婚
1962年、フロイントさんは「ミセス・ウルフマン」として知られるエリカさんと結婚。エリカさんはフロイントさんと同じように、野生動物保護とオオカミへの深い愛を持っています。2人は1970年代に最初のオオカミのグループを入手。これらのオオカミは、動物やアニマルパークから引き取った赤ちゃんオオカミ達です。
夫婦は一緒にオオカミ達を育て、この「群れ」の親となっていきました。オオカミは、夫婦を尊敬し敬意を持っています。この経験から、フロイントさんは、自分自身がオオカミになることでオオカミに馴染み、群れの一員となることができると学びました。
保護区を設立
1970年代前半、若きワーナー・フロイントさんは、メルツィヒに保護区を設立するアイディアを思いつきます。知識とカリスマ性だけを携えて、市長の元へ向かい計画を提案。
彼のアイディアはシンプルです。無料で訪問できるオオカミパークを作って、自然のようにオオカミ達が自由な開けたエリアで生活できる場所を増やす、という計画です。
市からの援助
信じるか信じないかは別として、フロイントさんの提案はうまくいき、市長はそのアイディアを買いました。地元当局から土地を与えられ、保護区が作られたのです。こんにち、フロイントさんの保護区は、メルツィヒで最大の観光名所の一つとなっています。
園内に住む多数の群れは、巨大な森林エリアにある分けられた自分たちの区画を自由に動き回ることができます。地元の食肉処理場や猟師の協力を得て、町一丸となって保護区を維持しています。
狼たちの支援
フロイントさんの保護区の目的は、オオカミが極端に誤解された生き物であるということを人々に証明することです。メディアやストーリーでは、家畜や人間に脅威となり得る血に飢えた野獣として描かれています。
確かに、危険で尊重すべき動物ではあります。しかし、オオカミは思っているような恐ろしい生き物ではなく、尊重し守られるべき存在であるということを示したいというフロイントさん。その目標は達成されたのではないでしょうか。
交わらない
フロイントさんによれば、オオカミはあまり交わりません。「家畜が被害に遭うことはあるでしょう。人間に近づきすぎて『事故』が起こる場合もあり得ます。しかし、ホンモノのオオカミに会って死ぬよりも、狼男に会って死ぬ確率の方が高いくらいですよ。オオカミは人間のことなんて知りたくないんです。自分達の生活をしたいだけです」
オオカミの事故はかなり稀で、だからこそメディアによって大々的に取り上げられてしまう、というのがフロイントさんの見解です。
馴染む
保護区に入っていって、フロイントさんのようにオオカミの群れに馴染めると思ったら大間違いです。これは時間のかかるプロセスで、フロイントさんがオオカミに慣れるというよりも、オオカミがフロイントさんに慣れるかの問題です。
つまり、フロイントさんのほうが馴染む方法を学んでいかなければいけませんでした。人間ではなく仲間のオオカミの匂いがするようにと、フロイントさんは動物の脂肪と血を塗りたくったパラシュートスモックを身につけます。
群れのボスになる
オオカミの群れでボスとしての地位を確立することは、特に人間にとっては気の遠くなるような作業です。しかし、フロイントさんは諦めることなく、他のオオカミからの尊敬を勝ち取ったのです。
このポジションを維持するために、フロイトさんはオオカミのボスがすることであれば何でもします。つまり、初めに食事をして、攻撃性を表わし、オオカミそのものになりきるのです。
危険とはいつも隣り合わせ
いくら他のオオカミたちから認められたとはいっても、だからといって、不用心に彼らの前に現れるわけにはいきません。身の危険を守るためにも、彼は常に危険と隣り合わせであることを感じていなければいけないのです。彼は、「どんなときもただの大型犬だとか、軽く考えてはいけません。彼らは野生動物であり、いつどんな時に襲ってくるのか分からない。」と述べています。
彼は、近くにいるオオカミに常に警戒していなければなりません。また、彼は群れの内部の争いには関与しないようにしているので、群れも自分達のやり方で物事を処理できるようになっています。
多くの人から尊敬される
オオカミの群れのリーダー的存在となったフロイントの話が世間に広まると、研究者や動物の専門家たちは必死になって彼とどうにか話をしようとした。気難しいと言われたモンティ・ロバーツでさえも、狼の群れの中でのフロイントの技術や経験を学ぶために彼のところを訪れたのです。
彼の研究はやがてEU内でも注目を集め、EUは彼にオオカミの管理方法についてアドバイスを求めてきました。彼の仕事はやがて、狼との第二の人生についての本や映画を書いた多くの人々に賞賛され続けました。
狼男はこの世を去る
残念ながら、ヴェルナー・フロイントは、2014年に病気で亡くなりました。しかし、オオカミをはじめとする野生生物保護の分野での彼の活動は、多くの人々の記憶に残り、今も尚、賞賛されています。彼がオオカミの中で経験した話は語り継がれており、オオカミを取り巻くネガティブな固定観念を打ち破るのに役立っています。
彼は、これまでほとんどの人が成し遂げたことのないことを達成し、たくさんの人に勇気を与えました。彼は世界中のオオカミの見方に大きな影響を与えた偉業を身をもって成し遂げたのである。